湧き水マップに掲載している湧水
日本全国にたくさんの湧き水があります。湧き水マップでは主に関東甲信越地方の湧き水を紹介しています。
私がいつか行きたい湧き水の調査を記録する地図でもありますので、地図にあるスポットは私が行ったことがある湧き水だけではありません。
飲める/飲めないに関しても、ネットの情報を見ての予想も含まれます。
なお、湧き水だと思って行ってみたら違ったというような流れで湧き水ではないものも含まれます。
湧き水マップの凡例
情報をお寄せください
湧き水マップに掲載していない湧き水や水汲みスポットをご存知でしたらお知らせいただきたくお願い申し上げます。
いただいた情報は以下のようにご紹介しています。
情報提供はお問い合わせフォームをご利用ください。
お問い合わせ内容欄にご存知の湧き水の名称と、可能であればGoogleマップでの位置情報をご記入ください。位置情報の取得方法は以下の動画を参考にしてください。動画内の最初のクリックは、どちらも右クリックです。
探してみると色々な湧き水があります。
その水が飲めたら最高ですが、そうでなくても気分のリフレッシュにはなりますよ。
クルマなら日帰りでも結構遠くの湧き水まで行けます。
散歩、ドライブ、サイクリングの水分補給、キャンプやピクニックの飲み水にどうぞ。持ち帰った湧き水でお茶を飲んだりご飯を炊いたり。
自然の恵み、天然水を汲みに出かけませんか。
湧き水は自然がつくりだす水であり、天然水です。地球の水循環の一部と言って良いでしょう。
山に降った雨や雪が地面にしみ込んで、地中深くにある「水を通しにくい層」に到達すると、今度はその層の表面を伝うように地下を流れていきます。地下を流れる水が地下水です。
流れた地下水は、偶然が重なると地表へ出てきます。地表に出てきた地下水が湧き水です。
地表に出てきていない地下水に向かって穴を掘り、水を取り出せるようにしたものが井戸です。井戸から取れる地下水が井戸水です。
湧き水の大きさは様々です。川のように多くの水が湧き出ているところもあれば、水たまりににしか見えない湧き水もあります。1年のうちに、涸れたり水が湧き出たりを繰り返すところもあります。
湧き水は、英語では「Spring water」スペイン語では「Agua de manantial」中国語では「泉水」ラテン語では「Aqua fons」と書きます。どれも「水」という言葉と「底から出てくる」という意味の言葉の組み合わせです。
ちなみに「泉」は「岩の穴から湧き出す水」の様子を表す象形文字だそうです。
飲める湧き水と飲めない湧き水があります。飲めない湧き水を飲んでしまうとお腹を壊したりします。
名水と呼ばれているから飲めるということはなく、飲めるかどうかを科学的に判断するには水質検査が必要です。
毎回検査をするわけにもいきませんから、飲んでもお腹を壊さなくて済むよう、浄水器を利用したり、煮沸したりします。
詳しくは「湧き水を安全に飲むために」をご覧ください。
水質検査
水質検査は民間企業のほか、保健所で受け付けています。
保健所は大腸菌の有無を含む13項目または11項目の簡易検査のみで、費用は10,000円くらいかかります。
水道法に定める「飲用に適する水」と判断するには厚生労働大臣登録水質検査機関による51項目の検査と適合が必要ですが、費用は高額なようです。
湧き水や水汲み場には何気なく水質検査結果が掲示されていますが、実はこういう費用や手間がかかってます。募金箱を見つけたらご協力をお願いします。
湧き水に限ったことではありませんが。
「おいしい水研究会(旧厚生省)」が1985年に発表した「おいしい水の要件」というのがあります。各自治体が各種指標に利用しています。
個人が測定できるようなものではありませんし、味には好みがありますから、参考程度にどうぞ。
湧き水マップでは水の味についてはあまり触れていません。どこも基本的においしいからです。特筆すべき違いがあるときだけ記載しています。
項目 | 味への影響 | 要件 |
---|---|---|
蒸発残留物 | 量が多いと苦み/渋味などが増加し、適度に含まれるとコクのあるまろやかな味になります。 | 30~200mg/L |
硬度 | カルシウム・マグネシウムの含有量を示し、硬度の低い水はくせがなく、高いと好き嫌いがでます。一般的にマグネシウムの多い水は苦く感じます。 | 10~100mg/L |
遊離炭酸 | 水に含まれる炭酸ガスのことで、適度な量であれば水がさわやかになりますが、多いと刺激が強くなります。 | 3~30mg/L |
過マンガン酸カリウム消費量 | 多いと渋く感じます。 | 3mg/L以下 |
臭気強度 | 水のにおいが強くなるほど不快に感じます。 | 3以下 |
残留塩素 | いわゆるカルキのことで、濃度が高いと水の味が悪くなります。 | 0.4mg/L以下 |
水温 | 温いとおいしく感じなくなります。 | 20℃以下 |
硬水/軟水は、水に含まれるカルシウムとマグネシウムの量から算出される「硬度」による分類のことです。
日本では明確な分類はありませんが、WHOでは硬度により「軟水」「中硬水」「硬水」「超硬水」の4段階に分類しています。
硬水/軟水の違いは水としての優劣ではありません。日本国内の水は軟水が多いようです。
詳しくは「硬水と軟水の違い・使い分け」をご覧ください。
ほとんどの湧き水は無料です。
まれに「1リットル当たり◯◯円」と掲示してあるところもあります。料金を徴収するのは「店」「水汲み場」と呼ばれることはあっても「湧き水」と呼ばれることはないと思います。
一方、水汲みをするまでにお金がかかるときはあります。例えば、以下のような費用です。
一方、寄付を受け付けている水汲み場もあります。「チップ制」と呼ばれることもあります。
水汲みができる設備を維持するにはお金がかかりますので、募金箱を見つけたら少額で結構ですから寄付していただけると湧き水ファンの一人としてうれしいです。
節約にはなりそうもありません。
上水道は口径と使用量で料金が決まる
2022年現在、さいたま市の場合は、基本料金に8m3分の使用量が含まれており、口径が一般家庭用に多い20mmの場合、8m3を超え20m3までの使用量は183.75円/m3(税込)です。1m3は1,000Lなので、0.18円/Lです。
下水道料金は上水道使用量に応じて決まる
湧き水を使えば上水道使用量が減り、下水道料金も下がります。
さいたま市の場合は、下水道料金は上水道料金よりも安く、10m3を超え30m3までは91.35円/m3(税込)ですから、0.09円/Lです。上水道を節約しても、下水道への影響は微々たるものでしょう。
地域に寄って水道代は異なりますが、上下水道料金はとても安く、水汲みに行くときの交通費やガソリン代で相殺されてしまいます。
歩いていける距離に湧き水があっても、水道料金の安さにはかなわないと思います。
一般的には、湧き水は「節約のために」というよりは「楽しみとして」と思った方が良いでしょう。
お気に入りの湧き水が見つかると多く持ち帰りたくなると思います。ポリタンクをクルマにいくつも積み込む人も見かけます。
自家用車は最大積載量という概念がなく、カタログ等にも「何kgまで」と記載はありません。
トヨタと日産はホームページで最大積載量の目安を掲載しており、どちらも同じです。
乗車定員×55kg+乗車定員分の手荷物程度の重量(乗車定員×10kg)乗用車の最大積載量を教えて。 | トヨタ お問い合わせ・よくあるご質問
1人55kgという数値は、体重計をご利用のうえ調整してください。
数式通りで考えるなら、5人乗りのクルマに3人乗る場合はアキは2人分なので、
2×55kg + 2×10kg = 130kg ≒ 130リットル です。
水に限りませんが、荷物が重いとクルマは止まりにくいので、帰り道のブレーキ操作にご注意ください。
残念な人たち
水汲みのマナーは明文化されてるわけではありません。いわゆる「失礼クリエイター」になりたくはないので口うるさいことを言いたくはないのですが、時々残念な人を見かけます。
水汲みは地域の皆さんのご理解があってこそです。
1. 占有する人
人気の湧き水に多いです。人が多いから待ち時間が長くなる。もう一度並ぶのはイヤだから占有し続けるのでしょう。
長く待たされて気分が良い人はいないと思います。お互いを気遣って水を汲みましょう。
2. 予想外の用途に使う人
名栗湖の湧き水で洗車してる他県ナンバーのクルマを見たことがあります。水道代よりも名栗湖までくるガソリン代の方が高そうなんですけど・・・。
市街地における注意点
山の中なら他人に迷惑をかけることは少ないのですが、市街地はそうもいきません。
「混まないうちに」ということだと思いますが、深夜/早朝ではクルマのアイドリングすら騒音になる場合があります。
大量の水は重いのでクルマを水場に寄せたくなりますが、交通の妨げにならないようにしましょう。また私有地に勝手にクルマを停めるのもやめましょう。
トラブルが多くなると水汲みが禁止されることもあります。残念な結果にならないよう、どうぞご協力ください。
イライラしないために
時間をずらすのが一番です。
有名所は09:00は混みやすいです。11:00や15:00くらいになると人が少なくなるように思います。湧き水の周辺も楽しみながら、時間調整してみてください。
近くに別の湧き水があるなら、一度そちらへ行ってみるのもいいでしょう。湧き水マップをご活用くださいませ。
神社仏閣
神社仏閣にある水場は神聖なものとして扱われています。神社によっては水汲みの前に参拝するよう掲示があります。
ポリタンクを持ち込んで占有するような水汲みは慎みましょう。節度を保った水汲みをお願いします。
水には様々な呼称があります。特に記載がないものは「goo辞書 デジタル大辞泉」によります。
湧き水/湧水
地中からわき出る水。ゆうすい。
清水
地面や岩の間などからわき出るきれいに澄んだ水。
名水
有名な清水。特に、茶の湯で珍重する上質で有名な水。
銘水
辞書には掲載なし。「銘」は特にすぐれた物品につける特定の名のこと。
神水
神前に供える水。また、誓いのしるしとして神前で飲む水。霊験ある水。神聖な水。
鉱水
鉱物質を多く含んでいる水。鉱泉の水。
霊水
不思議な効能のある水。霊験あらたかな水。
冷水
冷たい水。れいすい。
沢水
沢にある水。沢を流れる水。
井戸水
井戸の水。井戸からくみ上げた水。
泉
「出水 (いずみ) 」の意。地下水が自然に地表にわき出る所。また、そのわき出た水。湧泉 (ゆうせん)
清泉
清く澄んだいずみ。しみず。
地下水
雨や川の水がゆっくり地中にしみこんで、地層の隙間を満たしている水のことを地下水といいます。(河川用語集)
伏流水
水がしみ込みやすい土地を川が流れると、水が地中にもぐりこんで流れます。この水のことを伏流水といいます。(河川用語集)
全国には数多くの名水があります。選りすぐった名水一覧として最も有名なものは「名水百選」でしょう。この他にも全国各地に名水選定があります。
「選定された名水=飲める」ではありませんのでご注意ください。
国が選定した名水
都道府県が選定した名水
市町村が選定した名水
名水百選カードは環境省平成27年度に実施した国民参加型の人気投票「名水百選30周年記念 名水百選選抜総選挙」を記念して作成したものです。
カード自体は湧き水がある自治体で配布しているので平日でないともらえません。しかも全国各地にちらばっているので一人で全部集めるのは相当大変だろうと思います。
それでも記念にはなりますから、平日に湧き水へおいでの際は、カードがあるかどうか確認してみてはいかがでしょうか。
国分寺市は令和4年になってから昭和の名水百選カード「お鷹の道・真姿の池湧水群」を作成しています。2024年には令和の名水百選が選定されるようですから、種類が増えて集めやすくなるのではないかと期待してます。
湧き水と言えば、山の水。山と言えば富士山。富士山の天然水はそれだけで美味しそうにみえます。実際、美味しいです。
富士山の水の水質を調査した論文がいくつかあるのですが、どれにも記載されている富士山の水の、地質由来の特徴は「バナジウムが含まれること」です。
富士山は玄武岩質です。玄武岩はマグマ由来の火山岩で、他の岩石よりもバナジウムが多く含まれています。
玄武岩質の山であれば、どれにもバナジウムが含まれるのでしょうが、日本で一番大きな玄武岩質の山は富士山ですから、その特徴が他よりも目立つ、ということではないかと思います。
バナジウムの効能
その効能が注目されているようで、富士山付近の水汲み場にはバナジウムの含有量を掲示しているところも見かけます。
バナジウムは血糖値を下げるインスリンに似た働きをするとされているようですが、ネットで調べた範囲では、科学的にそうと確定しているわけでもなさそうです。
一方、水分補給はそれだけで血糖値を下げる効果があります。
仮にバナジウムを含む水を飲んで血糖値が下がっても、バナジウムのおかげなのか、水を飲んだからなのかは判別しにくのではないでしょうか。
飲んでバナジウムの味がわかるわけでもありませんし、健康目的というよりは、硬水/軟水のような「単なる水の特徴」として受け止めたほうが良いのではないかと思います。
オススメの富士山の水を汲める水汲み場
他にもたくさんありますので、トップページの地図で探すか、「富士山」でサイト内検索してみてください。
温泉の定義は温泉法により定められており、温泉も湧き水の一つです。
この法律で「温泉」とは、地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス(炭化水素を主成分とする天然ガスを除く。)で、別表に掲げる温度又は物質を有するものをいう。温泉法第二条
湧き水のうち、温泉と呼んで良いものは以下のいずれか一つを満たしていなくてはなりません。
溶存物質とは、例えばナトリウムイオン(陽イオン)や硫化水素イオン(陰イオン)などで、掲示されている温泉分析書に記載があります、指定の物質は温泉法第二条別表に指定があります。
飲泉
温泉を飲むことを「飲泉(いんせん)」と言い、湧き水マップでも飲泉所をいくつか紹介しています。
管理人は飲泉所の雰囲気が好きなので場所がわかれば好んで行きますが、「美味しい」と感じる人は少ないのではないかと思います。
飲泉は飲み方に注意が必要です。現地に掲示されている飲み方を守ってご利用ください。
温泉スタンド
温泉の自動販売機「温泉スタンド」というものがあります。ガソリンの代わりに温泉が出てくる設備で、関東地方にも複数あります。
例えば、埼玉県ときがわ町の温泉スタンドは温泉1リットルあたり10円です。
自宅で風呂として利用する場合は、浴槽に7割程度(約200リットル)のお湯を張り、温泉20リットルを加えるのが良いそうです。天然の入浴剤みたいなものでしょうね。
水汲み場の湧き水だけでお風呂はかなりキビシイですが、温泉スタンドなら「ある意味湧き水でお風呂」ができますよ。
環境意識の高まりからか、飲み水を無料で提供するサービスもあります。熱中症対策としても効果があるのではないかと思います。
こういう活動も効率が大切なのはわかっているつもりなのですが、対象エリアが都会ばかりなのが難点です・・・。
「水の日」というのがあります。水の大切さを知ってもらうためのイベントです。
WORLD WATER DAY(世界 水の日) 毎年 3/22
国連が主催しています。
国連は加盟国に対して、この日に各国で活動を企画するよう薦めており、水の危機に対応し、水と飲料水の確保や水資源の持続可能な開発に関連する取り組みを行う国連機関も様々な企画を催している。国連加盟国以外にも、数々のNGOが水に関連した活動を催している。Wikipedia:世界水の日より
水の日 毎年 8/1、水の週間 毎年 8/1〜8/7
国土交通省が主催しています。
平成26年に制定された水循環基本法において、国民の間に広く健全な水循環の重要性についての理解と関心を深める日として位置づけられました。(中略)水が健全に循環することによってもたらされる水の恵みや健全な水循環の重要性についての理解と関心を深めていただけるよう、関係府省や都道府県等と連携し、全国的に水に関する啓発行事を実施してまいります。国土交通省:「水の日」・「水の週間」より
国連のはちょっと縁遠い感じがしますが、国内の「水の日」「水の週間」ではいろいろイベントが開催されています。「打ち水大作戦」「ブルーライトアップ」あたりはご覧になったことがある方も多いのではないでしょうか。
興味のあるかたはお近くのイベントへどうぞ。