2022.03.06

ズザ沢湧水の水汲み場は2箇所

以下、便宜上【下】【上】と書きます。距離は歩いて1分もかかりませんが、それぞれが面する道路は異なります。

南山林道のどちら側から入っても先に見つかるのは【下】です。

オーソドックスな造りの【下】

採水口は3つですが、左2つは二股になっていて水量がうまく調整してあります。

全体的にポリタンクでの水汲みを想定したような造りになっています。受けがないので水がかなり跳ねてますし、足元が滑りやすいの注意してください。

採水口はどれも水量がまあまああります。

導水管が裏側の斜面に向かっていますが、その先がどうなっているのかまでは確認できませんでした。

愛川町による「この水は飲用水には適しておりません」という掲示があります。

ネットでは「水質検査をしたけど問題なしだった」「多くの人が水汲みに来る」といった飲める系の情報がある一方、看板の通り飲まない人もいます。私はその場で飲みました。

ガードレールの右からクルマで入れます。水場の前はいくぶん広くなっていますが2台が限度と思います。侵入するならバックのほうが良いでしょう。

銀色タンクのインパクトがすごい【上】

【下】を時計回りに回り込むような道路を50mくらい進むと【上】の水汲み場があります。ガードレールとミラーの間から入ります。

なお、この道路はこの先50mくらいにゲートが設置されていて事実上行き止まりです。クルマは路駐でいいでしょう。

水場までは障害物を乗り越える必要があるので、台車のたぐいは使えません。

水場近くには【下】と同じ看板があります。ネットの情報では、以前は水質検査結果が掲示されていたそうです。

道路から10mも進めば銀色に輝くタンクが見えます。

宇宙船みたいなタンクには蛇口式の採水口が5つあり、そのうち使えるものが4つ、ダメそうなのが一つです。水は細く出しっぱなしになってますが、蛇口で水量を調整できます。

私はこの時点でそのまま飲みました。

タンクに一度水を貯めているので蛇口をひねれば水量は増えるのですが、タンクに流れ込む水量がよくわかりません。音を聞いた感じではあまり多くない気がしました。

溢れた水がどうなるのか、もうちょっと調べればよかったです。

ここまでは良かったのだが・・・

タンクに接続しているパイプがどうなっているのか登って調べてみたところ、砂防ダムの下から水が出ているようです。なんか雰囲気が怪しくなってきました・・・。

パイプは砂防ダムの下に刺さっており、パイプの横からも水が出ていました。その上に保護の金網が設置されています。

なんとなくですが、見えている水がそのままパイプに入っているようには見えませんでした。

さらに登って砂防ダムの上流側を見ると・・・。

もともと沢だったところが埋まってしまったように見えました。土砂崩れでもあったのでしょうか。砂防ダムの効果を実感できます。

【下】をオススメします

この地形を見たあと、正直言うと、ズザ沢湧水がわからなくなりました。単純に「湧き水なのか？もっともっと上流では沢なのでは？」という疑問が頭をよぎり、宇宙船のようなタンクも中が見えないことがマイナスに感じる始末・・・。

家に帰ってから調べてみると、標高440m付近に湧出地点があるらしいです。ただ、水場までに至る水の深さや距離までは調査していないようです。

分水嶺界に近い沢地形が形成されており，その流れは塩川滝へと続いている．この沢地形の途中に湧出地点が存在している．また，湧出地点は標高約 440m である．

（中略）

湧水を受けるパイプを辿ると，表土（土壌）と火山岩類との境界面から湧出している様に観察されることから，基盤である火山岩類を不透水層として土壌を浸透してきた地下水が沢地形の崖から湧出している自然湧水であると考えられる

神奈川県愛甲郡域での湧水水質とその変動

タンク設置はそれなりに管理されている証拠ですし、水汲みをしている人が多いそうなので、基本的には安全性は高いと思います。

「どちらで水汲みするか」となると、パイプが沢とは無関係な方向に向かっている、水量が多い、段差が無く持ち運びがしやすい、という理由で【下】をオススメします。

アクセス・駐車場

道路は舗装されており、一本道なので迷うことはないでしょう。

駐車場はありませんが、路肩に余裕がある箇所もあるので、よほど混んでいない限りはどうにかこうにか停めることはできると思います。

【下】の道路を挟んで反対側には整備された小さな公園みたいなところがあり、雰囲気が良いです。私が行ったときもお湯を沸かしてコーヒーを飲んでいる方がいらっしゃいました。

トイレはありません。